Definition.
$n,l$は$2\leq n \leq l$をみたす自然数. 次のように構成される写像$f\colon S_{n-1} \to S_{l-1}$をMarkov埋め込みという.
1) $\Omega_l$を空でない, 互いに交わらない部分集合の族$\{C_1, \ldots, C_n\}$に分割する.
$n,l$は$2\leq n \leq l$をみたす自然数. 次のように構成される写像$f\colon S_{n-1} \to S_{l-1}$をMarkov埋め込みという.
1) $\Omega_l$を空でない, 互いに交わらない部分集合の族$\{C_1, \ldots, C_n\}$に分割する.
2) 各$j$ (1\leq j \leq n)に対して, $C_j$に台をもつ$\Omega_l$上の確率分布
\[
Q_{(j)} = (Q_{(j)}^1, \ldots, Q_{(j)}^l)
\]
ここで, $Q_{(j)}^k = a1_{C_j}(k)$である($a$は$k,j$に依存する適当な正数).
3) $(y^1,\ldots, y^l) = f(x^1,\ldots, x^n)$を
\[
y^k = \sum_{j=1}^n x^j Q_{(j)}^k
\]
で定義する.
Remark.
(1)を$Q_{(j)}$をつかって言い換える. まず,
任意の$1\leq i \leq n$に対して, 或る$k_i \in \Omega_l$が存在して, $C_{(l)} \ni k_i$である. つまり, $Q_{(j)}^{k_i} >0$で, $Q_{(j)}^{k_i}=0$ ($i \neq j$)
(1)を$Q_{(j)}$をつかって言い換える. まず,
任意の$1\leq i \leq n$に対して, 或る$k_i \in \Omega_l$が存在して, $C_{(l)} \ni k_i$である. つまり, $Q_{(j)}^{k_i} >0$で, $Q_{(j)}^{k_i}=0$ ($i \neq j$)
Lemma.
上のようにして作った写像は本当に埋め込み写像である
[proof]
1) 上のRemarkから上のようにして作った写像は本当に埋め込み写像である
\[
\begin{pmatrix}
Q_{(1)}^{1} & Q_{(2)}^{1} & \cdots & Q_{(l)}^{1} \\
Q_{(1)}^{2} & Q_{(2)}^{2} & \cdots & Q_{(l)}^{2} \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
Q_{(1)}^{n} & Q_{(2)}^{n} & \cdots & Q_{(l)}^{n}
\end{pmatrix}
\] はランク$n$である. だから, $(df)\colont T_pS_{n-1} \to T_{f(p)}S_{l-1}$は次元定理から単射になる.
2) $S_{n-1}$と$f(S_{n-1})$が同相であることは, $S_{n-1}$がコンパクトで, $f$連続, $f(S_{n-1})$はHausdorffだから, 単射性のみみればよいが, 単射性も上のremarkを
\[
\sum_{j=1}^n (x^j – z^j) Q^k_j= 0
\] が$1\leq k \leq l$で成立していることと合わせればわかる.
[/proof]
